DXへの取り組み


土木メインの企業では富山県内初のDX事業者に認定されました



代表メッセージ

当社は創業以来、一貫して土木工事業に取り組み、70年有余年にわたり培った豊富な経験と技術力を生かし、地域社会の発展と明るい豊な社会づくりに貢献してきました。

 

しかし、少子高齢化、人口減少という社会課題を抱える日本社会、建設業界において、今後も持続的に事業活動を続けていくためには、デジタル技術を活用した企業活動の「変革」が必要不可欠です。

 

そこで当社は、「デジタルトランスフォーメーション戦略(DX戦略)」を策定し、全社員が一丸となって取り組んでいくことを決めました。DX戦略の推進により新たな価値を創出し、さらなる社会貢献を果たすことで、お客様や地域の皆様から愛され、支持される企業を目指していきます。

代表取締役社長 池田 庄治


DX戦略策定の目的

【現状の認識】

産業界全体を取り巻くデジタル化は急激な拡大を続けており、近年ではクラウドコンピューティングやビッグデータ、IoT等の膨大なデータを基としたデジタル技術を活用して既存産業に新たな付加価値を創造し、市場を席巻している。

また、当社が属する建設業界においては 就労者の高齢化、 3K(きつい・汚い・危険)イメージや人口構成の変化による新規就労者の減少により、近い将来にも現状の施工体制を維持することは非常に困難である。 

【当社の目指す姿】

このような環境を踏まえ、再度当社における経営理念を確認するとともに、経営ビジョンに基づき新たな付加価値を生み出すことが必要である。 

 【経営理念】

私たちはお客様によろこばれる仕事を通じて社会に貢献し、あわせて、全員が成長する経営を行う。

経営ビジョン】

 ・地域社会の発展に貢献する会社:

地域の方々、お客様によろこばれる仕事、地域社会に貢献する仕事を積み重ね、より皆様から愛され、支持される会社になります。

 ・お客様ニーズに応える会社:

創業以来培った豊富な経験と技術力を基に、お客様の想いを形にする提案力、安全・スピード・品質を備えた施工力を持った会社になります。

 ・未来の建設業を担う会社:

社員全員が日々努力し成長を続けるとともに、組織として柔軟な結束力を持ち、地域社会の未来を創造する会社になります。

【DX戦略の目的】

 本戦略は、国全体で起きているこのような「変化」の中で、当社がデジタル化をどのような位置付けで、どのように活用していくべきか。また、既存事業における業務内容・働き方・ 組織運営をどのように変革するか、経済的損失をもたらす「2025年の崖」問題に対して社内・個人単位でブラックボックス化した社内のデジタル環境をどのように 再構築するか を長期的な視点で定め、変化の時代に当社が生き抜いていく指針を「DX戦略」として明示するものである。

DXにおける基本的な方針

DX 推進プロジェクトにおいては以下の2つを基本的な方針とする。

  1. デジタルツールの活用により既存事業の生産性を向上し、競争力強化を実現する
  2. データの蓄積・活用により新たな顧客価値を創造し、差別化を実現する

DX推進プロジェクト

具体的な取り組みとして、以下の6項目を実施する


1. 業務システムの全体最適化


SaaSを活用して従業員個人が業務システム を構築し、 RPA・APIを利用することで既存業務サービスとのデータ連携を行い、営業から施工までの各業務工程において一貫したデータ管理を行い、顧客に提供するサービス品質を均一化する。

  • 既存の自社運用基幹システムからの脱却。新たなクラウド型基幹システムへの移行
  • 電子契約の取り決めに沿った基幹システムの構築による契約書・注文書等の書類の電子化
  • SaaS を活用した業務特化型のシステムを従業員自らが開発・運用
  • RPA、IPA を活用したシステム間データ連携

システム全体の構想図


2. リアルタイム経営


蓄積した業務データの「見える化」及びAIを活用した分析(BI適用)により、熟練作業者の勘と経験に依存しない「データに基づく判断」が可能な組織とし、安定的な施工体制を構築する。

  • 各業務工程のKPIを設定し、リアルタイムに見える化・全体共有化する
  • DWHを構築し、活用可能なデータを時系列に沿って集約・整理し、経営判断の変化に活用するとともに、経営方針の変化に柔軟に対応できる体制を作る
  • 現場での書類や証憑書類を電子データ化することでデータの取り逃しを防ぐ
  • 「データクリーニング指針」※1 に基づき、業務データの整理整頓を行い、分析基盤を構築する
  • AIを活用し、蓄積したデータの傾向分析、チェック作業の簡略化を図る
  • 全社員にiPadを配布し、どこからでもアクセスが可能な環境を作る
  • データ分析は各事業部で指標の策定・データの構築を行うこととし、年に2回「Looker Studio 大会」を開催することによりデータ活用を促進する。

※1:データクリーニング指針

・「情報セキュリティ基本方針」※2 に則り、情報漏洩を未然に防ぐ

業務データはGoogle Cloud の「Looker Studio」にて管理する(API・RPA の利用によりデータを蓄積・可視化する)

活用可能なデータは事業部ごとに「BOX」に保存する

保存データには作成日時を西暦から記載

データには工事管理番号、社員番号のいずれかを統合キーとして入れる

※2 情報セキュリティ基本方針

 → こちらよりご覧ください。

Looker Studio大会の様子

Looker Studio 大会は、社員がデータを用いた業務改善をグループや事業部ごとに企画・実施し、発表を通してより良い取り組みを競い合う全社的な大会。データの構築やダッシュボード作成等のすべての工程を社員自身で行う。



3. 業務効率化


バックオフィスの徹底的な業務効率化を推進し、顧客に付加価値を提供する時間を最大化することで既存事業の競争力強化を図る。

  • 各業務工程において、事業部ごとに業務の要件定義及びマニュアル化を推進する
  • 自動化の可能性・有効性の評価を「業務自動化選定フロー」※3 に基づき選定し、社員自身でRPA の活用による業務の自動化対応を行う。
  • 特に反復性の高い自動化業務はクラウドにて管理し、実行の安定性を確保する
  • 事業部間で重複する作業、全社に影響する自動化業務に関しては、DX 推進室が自動化対応方針を決定し、方針に基づき対応を行う事業部を選定する。

※3:業務自動化選定フロー



4. 組織体制の変革


DXプロジェクトを推進するに際し、社長直轄のDX推進室を設置し、事業部門間でのデジタル環境のブラックボックス化を防ぐとともに本プロジェクトの確実な進捗を図る。

  • 社長直轄の「DX推進室」※4 を設置し、KPI指標の状況を把握するとともに定期的なプロジェクトの更新を行う
  • プロジェクトの推進状況を共有するDX推進委員会を毎月1 回開催
  • 各事業部に推進担当者を設置し、全社的課題解決を可能とする

※4:DX 推進体制図



5. 建設DXの推進


工務部においてi-Construction の適用を推進し、施工工程における現場の効率化及び施工物件の品質向上を図る。

  • 現場書類のペーパーレス化を推進する
  • BIM/CIM(ドローン活用)、IoT、ICT建機を活用する
  • iPad の利用を強制し、業務効率化を図る
  • 下請け業者への教育の実施、元請け業者と連携したデータ精度を向上させる取り組みにより、紙の受け渡しを減らす


6. IT人材の創出


デジタル技術に係る知見を有し、自ら業務改善を行うことができる人材を社内で創出するため、継続的に社内教育を実施する。

  • 社内教育プログラムに沿った教育を実施し、データ活用・業務の自動化・業務システムの構築についてのスキルを有する社員を創出する
  • スキルの習得・習熟状況を段階的に定義し、習得した社員数を定量的に管理する ※5
  • 人事評価とスキルの習得・習熟の達成度を連動させる

5 社内DX認定制度

DX社内セミナーの様子

毎月1 回のワークショップ形式の勉強会。各事業部単位でシステム管理者による業務システムの構築、データの分析等について学習する場。


DX推進シナリオ

DXプロジェクトの達成に向けた各分野で中長期計画を フェーズ0~フェーズ3 の4フェーズに分け、段階的な実現を図る。現在はフェーズ0 に位置する。

DX推進プロジェクト達成状況を測る指標

以下の指標をKPIとしてDX推進プロジェクトの達成度を管理する。各指標についてはDX推進委員会にて進捗状況を把握し、定期的にプロジェクトの見直しを行う。

【人時生産性の向上】

人時生産性(粗利益/総労働時間)の向上をKPIとする

・第32期(現在):人時生産性 2,673円

・3年後目標:3,100円(年率 5 %向上)

 

【業務自動化による残業時間の削減】

平均年間残業時間の削減を KPI とする

・第32期(現在):81.6時間

・3年後目標:0時間

【i-Construction 導入現場数】

工務部における 3 年後目標(件)

・第32期(現在): 0件

・3年後目標:6件(年率2件増加)

 

【IT人材の確保】

3年後目標(人数)

・BRONZEクラス認定者 3名(第32期:1名)

・SILVERクラス認定者 3名(第32期:1名)

・GOLDクラス認定者 3名(第32期:1名)